先月の11月に高崎不動産にご挨拶に来てくださった人がいました。
よく見ると、私が酒屋を継いでいた時の配達先の飲食店のマスターです。
以前と比べると老けた感じがあります。
そりゃあそうです。最後にお会いしたのはもう13年前ですから。
私も同じく老けたと思われたでしょう。
足が悪いみたいで、歩くのが大変そうでしたので
奥様も一緒に来てくださいました。
マスター「お店が20周年を迎えることができたので、挨拶に来たんよ」
「昔の伝票とか領収書とか見てて・・・色々世話になったなあと考えたら
挨拶に来たいと思ってなあ」
このマスターは関西出身の人なので、関西弁なんです。
喜多本「わざわざすみません。ありがとうございます。もう20年経ったんですね。」
高崎不動産の隣には喜多本酒店という酒屋があります。
現在は配達はしていませんが、お袋が店番をしています。
喜多本「酒屋の方にお袋がいますので、どうぞ。わざわざ来て
いただいてお袋も喜びます」
隣の酒屋に行き、お袋に話をして
マスター「色々お世話になって、20年続けられたんだあ」と泣き始めました。
奥様「年を取ると涙腺が弱くなって」と
マスターとは、私が酒屋をしている時に一生懸命販売していた日本酒
「越州」や「久保田」の朝日酒造へ酒蔵見学会に一緒に行って
その帰りにみんなで日帰り温泉に行ったこともあります。
その時もさすが関西人で、ずーっと冗談を言って人を和ませてくれてたのです。
マスターの店はお好み焼き屋さんで、高崎の繁華街では美味しくて有名です。
うちの家族もこのお好み焼きが大好きで配達の帰りによくお持ち帰りを
させていただきました。
昔話をして、お菓子を頂き
喜多本「近いうちに食べにお邪魔させていただきますね」
という話をして帰っていきました。
この時ほど、酒屋をしてて良かったと思える日はありませんでした。
本当に嬉しかったです。
酒屋の仕事の日常は朝8:30からすぐに飲食店の配達をします。
ほとんど昼飯抜きで毎日夜8:00まで配達してました。
週末になるとピークの時は夜11:00まで。
その後に、お店のディスプレイやインターネットの注文処理等。
配達の車も4年で20万キロ乗ってましたから毎日が大忙しでした。
大変なわりに、儲からない、重労働、喜ばれない。
ビールは価格競争でどこも値段にうるさいしで・・・。
20歳の時に住宅メーカーに勤め、23歳の時に宅建をとりました。
その時のお客様の喜んでいただけた喜びが忘れられず、やっぱり
不動産屋をしたいという気持ちが強くなり酒屋の配達をやめ
不動産屋を開業しました。
酒屋の配達が出来なくなり私の勝手で取引をやめましたから
そんなお礼なんて言われる立場でもないんですが
お礼を言いに来てくださいました。
でも、そのマスターが一昨日亡くなりました。
大好きなマスターのお好み焼きはもう食べれませんが
最後にお会いできて良かったです。
こちらこそ本当にありがとうございました。
コメント