不動産売買事例 土地売却により相続人同士で揉めた

不動産売買事例 相続人同士で揉めた 不動産売却

相続人5人の共有名義で所有している土地の売却依頼をいただきました。そのうちの1人からの売却相談で「全員同意している」という事でしたので、話を進めさせていただきました。買主が見つかってから相続人同士で揉めはじめました。

相続人5人の共有名義の土地売却 

知人の親から「土地を売却したいので相談にのってくれ」と言われ

知人の家に行きお話を聞いてきました。

相続人5人で共有している土地約270坪を売却したいとの事です。

依頼者はその相続人の1人です。

「他の相続人は県外にいて、同意もしている」と聞いたので

早速、土地の調査をしました。

売却の流れとしては

売却依頼 → 物件調査 → 査定書提出 → 媒介契約 → 売り出し

となります。

調査もして、土地に関しては何の問題もありませんでした。

調査が済みましたので、査定書をもって知人の家に行き

「この金額ならお願いします。他の共有者にも話をしておきます。」

と言われ、あとは向こうの連絡待ちでした。

売却開始

「他の共有者の同意も得られました」ということでしたので

東京の方1人と千葉の方3人のうち1人に連絡をし確認を

させていただきました。

媒介契約も結び

早速、販売を始めさせていただきました。

今回の物件は土地が広いので、一般の人向けには難しく

建売業者か不動産会社向きの売買になります。

知り合いの不動産会社に話をしたら、見ていただきすぐに

「購入したい、4区画にして分譲します」と承諾をいただきました。

買主が見つかったことを依頼者に報告し

「他の共有者4人にも話をしてください」と伝えました。

後日、返事を聞いたら東京に住んでいる人はOKで

千葉に住んでいる共有者3人のうち2人が同意を得られてないとの事。

この共有者3人は親子で、母親、息子2人です。

同意しないのが息子2人。

同意しない理由がわからないそうです。

同意しない理由がわからない?

3週間経っても何の返事もないため

直接話をするために千葉へ向かいました。

3人集まって頂いたのですが・・・・・

息子2人は「元々、売却に同意したわけではありません」

という回答でした。

「え、同意してない?媒介契約に署名捺印もいただき

金額も同意してくれたと聞いていたのに」

ご依頼いただいた人からの売却したい理由の話をしました。

・これから土地の値が上がるわけではないので、このまま持っていても
しょうがない。

・固定資産税もかかるし、草刈りの費用もかかるし無駄
(依頼者が固定資産税と草刈り代を立て替えていました)

・今の相続人が亡くなったら共有者が増えて面倒になる。

という依頼者の説明をしました。

売却金額の話をされて、もっと高く売れるのではないかとも言われました。

なぜ、この金額かと細かく説明をしましたら納得はしていただいたのですが

話が進みません。

相続で揉める時は、お金の問題だけではありません。過去の相続人

どうしがどう付き合ってきたかでも揉めたりします。

依頼者と仲が悪いのか???

この日は、話が止まってしまい検討していただけると聞いて

帰りました。

その後、何度かお母様とは連絡をして話をしたのですが

息子2人が同意してくれませんでした。

売却する土地は決していい場所ではありません。市の外れです。

折角買主を見つけたのに、時間がかかるのでと断られたら

次はいつ買主が見つかるかわかりません。

やっと3カ月して話し合う機会を頂けたので

千葉に行きました。

行きましたら、お母様がいませんでした。

息子さん2人と話をしましたが

嫌々ながらという感じですが、やっと売却の同意を得られました。

どうもお母様のの過去に問題があったみたいです。

この相続人3人はお父様が亡くなったため、この3人が相続人

となっていました。

お母様は過去にお父様に迷惑をかけていたそうです。

(全然そんな風には見えませんでしたが)

そのお父様の相続でお金が入るというのが許せない?みたいな

事を言っておりました。

身内の問題は、正直私も何とも言えません。

もしかしたら、実際は父親が悪いという事だってありえますので。

只々、話を聞きました。

「次にお邪魔させていただく時は契約書を持ってきます。」

と話が進み帰りました。

契約

契約してくれることになったので、息子さん2人の気が変わらないうちに

依頼者から契約を済ませ、次に東京に行き契約を済ませました。

売主、買主の双方が集まって契約が出来ないときは、持ち回りと言って

別々の日に契約を済ませます。

千葉の人に合わせていると、いつになるかわからなくなるので

ひとりずつ契約を済ませていきました。

千葉の息子さんに

「他の人の契約が済んだので、そちらに行き契約をさせてください」

と連絡しましたら、またはっきりとしない回答です。

「当分、仕事が忙しいから無理です」と言ってきました。

え?

先日、依頼者が「はっきりしないので強く言っておいたから」と言っていたので

依頼者と揉めたのか?

でも・・・依頼者は実を言うと適当で自分では動かない人でしたので違うとすぐわかりました。

お母さんと揉めたのか?

私が嫌われたのか?

答えがわからないと、対処のしようがありません。

契約にビビッているのか?たまにこういう人もいます。

もっとゆっくりと考えてから進めたいという場合なんですけど

すべて、説明して納得した訳なんですけどね。

「せっかく購入者が見つかりましたので、早めの契約をお願いします」

仕事が落ち着くのはいつ頃ですか?とお聞きし

時間ができたら連絡をいただけると言っていただき電話を切りました。

そういう人は大体連絡をしてくれませんので、定期的に電話をしました。

そんなこんなで6ヶ月が経ち、時間ができたという事で

やっと契約を進めてくださいました。

千葉に行き、3人に重要事項説明をし契約書を読み上げて

契約も無事終了しました。

契約後は、引き渡しまでスムーズに進みすべて終了しました。

すぐに契約をしてくれなかったのは何でだろう?

東京の人は誰とも仲がよい。

依頼者は口調が強い人でありましたが、誰にも嫌われていないようでした。

やっぱり、千葉の3人の問題だったのでしょうか?

最後までわかりませんでした。

まとめ

相続で不動産を所有する時は共有名義はお勧めしません。

共有者全員の同意が必要になるからです。

1人がNOと言えば、売却もできません。

所有は1人にして、売れたお金を分ける方法や

もしくは広い土地でしたら分筆して分ける方法がいいと思います。

その後「もう一つ共有名義の土地があったので売却してくれないか?」

と言われたのですが、今回のケースは買主さんが知り合いの不動産会社

でしたので、文句ひとつ言わず待ってくださいました。

買主さんが一般の人でしたら、迷惑がかかりますので

そのことをお話し、お断わりしました。

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